ハーブ
Harb

ハーブ(薬草)といちごへのこだわり

2016年6月より薬草事業がスタートし、まずは定番のハーブティーを作ってみようという事で、様々なハーブを取り寄せ試飲を繰り返してまいりました。

そこで気になり始めたのがハーブティー独特の風味です。もう少し飲みやすくできないかといちごジャムを混ぜてロシアンティー風に飲んでみたりもしましたが、味は良くても見た目に難があったため、試行錯誤の結果自分たちでハーブティーに合ういちごの商品を新たに作ろうという事になりました。そのような過程で生まれたのが「いちごコーディアル」です。本来の用途であるティーに溶かすだけでなく、パンケーキ・ヨーグルト・カキ氷にかけてもおいしくいただけるよう、透明度を維持しつつ濃縮してとろみをつけました。

まだ設立されたばかりなのでご紹介できる内容も限られておりますが、 質・量とも早く一人前になるよう頑張ります。

商品紹介
ハーブティー&いちごコーディアルセット

2017年3月2日よりハーブ商品第一弾「ハーブティー&いちごコーディアルセット」が発売されました!現在は店頭販売のみの取り扱いとなっております。

なぜいちご農園でハーブ?

まずはいちご農園で敢えてハーブを扱う、その理由をご説明したいと思います。
これは農園代表、岩佐隆の地域復興への熱い想いが原動力となっています。多くの方からの暖かいご支援の下、いちご生産に邁進し続けた結果、わずか5年で東北有数の生産規模にまでなる事ができました。一方、いちごの生産・販売は冬から春に限定されるため、経営上の懸念材料の一つとなっておりました。なぜならば、夏から秋にかけて収入が限りなくゼロになるからです。地域復興のためには地元に人材を呼び込むだけでなく、山元で定住できるよう、安定した雇用環境を生み出す必要があります。そのためには年間を通して売上げを出せることが経営上望ましいのです。そこで、時期を選ばず販売できるワイン造りと並行して、夏から秋の閑散期にかけてはハーブ事業を推進していこうという事になりました。

薬草への想い-地産地消の信念

さて、次は本記事の執筆者でもある、私個人の薬草に対する想いについて書きます。会社の方針を共有・実践するためにも大事な事だと思うからです。前述した地域復興とも関係あるのですが、私は「地産地消」の重要性を信じて仕事をしております。


薬草栽培の技術向上とノウハウの維持

現在、薬草(ハーブ)の原料はほとんど中国など外国から輸入されています。日本産のハーブや薬草は日本でも一部地域で生産されておりますが、量は少なく販売価格も高価になりがちです。そのため、国は薬草の国内生産を推進するため補助金を出していますが、売り先の確保など、事業を軌道に乗せるまでには大きなハードルがいくつもあります。かつては日本人も薬草の栽培を行っておりました。例えば、私の地元石巻市ではかつてオタネニンジン(別名:朝鮮人参)が伊達藩の奨励で栽培されていたそうです。しかし栽培ノウハウは失われ、現在は住宅地となり、薬草が栽培されていた面影はどこにもありません。中国との国交正常化以降、安い漢方薬原料が輸入されるようになり、国内での商業栽培が非常に困難になった事も日本の薬草栽培が廃れた理由の一つです。
(写真:コガネバナ開花時)

震災からの教訓

人々の記憶から薄れつつありますが、東日本大震災の時私も含め、衣食住に困る人が沢山おりました。食べるものを自分で栽培しようと家庭菜園を始めたり、非常時用のアウトドアグッズを揃えたり、キャンピングカーの販売が増加したというニュースも世間で目にしました。

しかし、薬草(ハーブ)を商売として考えた場合、状況は昔と比べてそれほど好転しているわけではありません。お金を稼ぐのは大事ではありますが、それだけでは流行の浮き沈み に翻弄され、再び廃れてしまう事になります。また、国際情勢の成り行きによっては、漢方薬やハーブの原料が将来輸入できなくなる可能性もゼロではありません。
「医食同源」や「身土不二」という言葉もあるように、仕事としてだけではなく、私個人としても薬草(ハーブ)が食料や農業の一部として根付いてほしいという想いで薬草事業に携わっております。

「有事には無事のごとくし、無事において有事の覚悟を養う」大塩平八郎『洗心洞箚記』より
(写真:震災時の様子)

 

Gallery

現在、様々なハーブや薬草を植えています。カフェ・直売所の向かい側には小さなハーブ園もございます。お越しになられた際はぜひ見ていってください。
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